388球目 カンガルー化を考えない
あえてバッター有利カウントにしてから、ストライクゾーンを攻めるなんて、よほどコントロールに自信があるんだろう。高1じゃなくて、プロのベテラン投手の投球術じゃねぇか。
「チビ部の仲間達ぃ! ヒットの打ち方を教えたるわ!」
両足は大工さんみたくダボダボなズボンがぴっちりするほど、太く引き締まっている。見た目的に、キックボクシングに向いてそうだ。
だが、どんな相手だろうと、ど真ん中ストレートだ。怖じ気づくな。
「フンガー!」
2球目も同じ所へ。
打球は俺の前に転がる。これなら間に合う。俺はさっと拾って
「セーフ、セーフ!」
カンガルーの脚は速い。
一瞬にしてパーフェクトもノーヒットノーランも無くなった。何だか嫌な感じだ。
(続く)
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