384球目 打ちやすい球種が見つからない

 今日の刈摩かるまは絶好調だから、各自が打ちやすい球種ワニは全く見つからなかった。



 山科やましなさんはストレートを打ち上げてライトフライ、番馬ばんばさんはフォークで三球三振に倒れる。



 3回表の良徳りょうとく学園の攻撃。ガンガン外野に飛ばされる。



「キラッ!」


「捕球!」


「グワ―!」



 山科やましな火星ひぼし烏丸からすまのおかげで、この回も三者凡退。本当にありがとうじゃ足りない、最高の外野陣だ。



刈摩かるまからヒット打つカァー!」



 守りでファインプレーをした烏丸からすまさんは、バットをチャンバラのように振ってやる気満々。打ちそうな気がする。



「ひぃぃ!」



 しかし、聞こえてきたのは悲鳴。口ばしを大きく開けて、目が真ん丸だ。ボテボテのファーストゴロでは、自慢の低空飛行が出来ない。



火星ひぼし、どんどん粘れよ」


「了解」



 粘りの火星ひぼしなら、刈摩攻略のきっかけをつかめそう。



「ストライク! アウト!」



 スライダーを見逃し三振。刈摩かるまのキレ◎の変化球を打つのは、オラゴン星人に荷が重かった。



「ノーバックスイングでいきます」



 東代とうだいは俺との初対決で見せたバックスイング無しの打法を使う(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895930927/episodes/1177354054896072037参照)。ストレートやスライダーはファールに出来たが、落ちるフォークは空振りだ。



「アウト! チェンジ!」



 1点どころか、1本のヒットが遠い試合だよ、ハァ。



(続く)

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