8球目 ストレートは重力に逆らえない
俺は
ちなみに、
「っしゃあ、いくぞ!」
俺はプレートに右足を置いて、セット・ポジションから投げる。左ヒザを胸まで上げ、うっ、へその辺りが限界だ。かなり体が硬くなってる。いや、構うもんか、「今」の全力で投げてやる。
「ヤキューブツブス」
ん? 何か変な声が聞こえたぞ。構うもんかい、投げる!
このグラウンド内の誰よりも高い位置から、ボールをリリースする。俺は
俺の投げたボールは
「ストライクっ!」
「ウェル、81マイルぐらいです。ネクストは打ちます」
「81マイル?」
俺が顔をしかめると、すかさず
「ミスター・ミズミヤ、カモンカモン!」
「おう。今度はバット振れよ」
俺はコースを気にせず、ストレートを投げ込む。アウトコース(バッターから遠いコース)に入ったボールが、
打球はボテボテだが、ちょうど一塁と二塁の真ん中に転がっていく。守っている奴のレベルによっては、ヒットになる当たりだ。俺はマウンドに右ひざをつけて、小首をかしげる。
「ミスター・ミズミヤのストレート、私のスローなスイングではヒット出来ません。ソー、バックのスイングタイムをカットしたら、ヒット出来ました」
確かに理屈は通るが、全く納得出来ねぇ。
「これがコーコーヤキューなら、私にとって
しかし、あきらめきれない
「ストップ、ストップ! 次はあたしが投げる!」
(水宮入部まであと7人)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます