86球目 特訓は1日で終わらない(水曜日)
俺たち野球部はなぜかスイミングスクール施設の温水プールに集まっている。
「えー、今日は立ち泳ぎしながら、キャッチボールよ」
アロハシャツのグル監は、大人の魅力をムンムン放っている。シャツを脱いだら、美しい腰のくびれが出てきそう。
「監督。キャッチボールの許可はいただいてるんですか?」
「もちろんよ。今日はスイミングスクールがお休みやから、借りてるの。来週からずっと、水曜は水上特訓ね」
「へー。水泳なのに水曜休みって、変わっとるやん」
「週の谷間は休みたくなるもんね」
「さぁさぁ、皆さん。両サイドに分かれてね」
俺達は二手に分かれて、プールの中へ入って行く。俺のキャッチボール相手は
「ボールを水中に落としたら、泳いで拾いに行くこと。後ろにそらしたら、上がって捕りに行ってよ。では、スタート」
彼女の笛の合図で、俺達は水上キャッチボールを始める。足が地面につかないから、上半身の力が頼りだ。俺や
「ハァハァ。これじゃ、水泳部と変わらへんやん」
チーター化した
「ハハッ。子猫ちゃんは、僕の教科書に載せたくなる
「おい、
「はいっ! すみませーん!」
ということは、将来の俺の姿って……。
(夏大予選まであと79日)
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