414球目 風の歌を聴けない
その後、
彼はプロ野球選手になれなかった喪失感で、佐藤電機を退社し、自分探しの旅に出る。色んな日本の名所を回り、自分はどうあるべきか考えていた。
ある日、東京ドームにて、彼は
カキィーン!
打球は高々と上がり、看板にぶち当たった。特大ホームランだ。
「うーむ。あのコースもダメか……」
村下の前の座席の男が、パソコンにデータを打ち込んでいる。ディスプレイには、赤や青の色分けがされたコースが表示されている。
「これだ!」
彼はビール缶を握りつぶしてホテルへ帰る。ホテルの部屋から神戸ポートタウン大付属高校の野球部監督に電話をかけて交渉し、特別コーチになることを認められた。
3年後に監督になると、就任後わずか3年で甲子園出場をつかむ。3年連続で夏の甲子園出場を果たし、名実ともに兵庫県の王者になった。
しかし、夏の甲子園は全て初戦敗退。全国大会で勝つチームを作るべく、データ班を各県に数名
目指すは全国制覇。そのためにも、
(続く)
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