63球目 遊び球はいらない
彼女の俺へのお願いは2度目だろうか。初対面で野球部に入れって、今考えると、かなり強引だな。実際に、彼女の強引な方法で、たくさんの面白い連中が集まった。俺も本当の野球の面白さを知ることが出来た、
だからこそ、ここで打たなくちゃ。野球経験者の俺が、皆の手本を見せるのだ。
3球目のサインを見た
バットに届く範囲なら打てる。キチ親父の頭を勝ち割る勢いでスイング。当たった、飛んだ、打球はレフトの前へ。レフトが超能力者じゃありませんように、おっ、落ちたぁ!
レフト前ヒットで、
「ナイスバッティング! さっきのスイングが、ジャパン名物“アッキューウチ”ですか?」
「まさか。あの程度のボール球は悪球に入らないよ」
俺の次の打者は、ボールゾーンの悪球を打ちそうな巨漢・
「さぁこいや!」
キャッチャーは震えているが、ピッチャーの方は
初球は縦スラを空振り。2球目も同じ縦スラを空振り。
そのスイングは、周囲の空気を切り裂かんとする鬼スイングだ。
3球連続で落としてくるだろうか。
「ストラックバッターアウト!」
2度あることは3度ある。
(続く)
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