158球目 ピッチングマシンの機能がハンパない
金曜日、俺と
「
「
野球部員が一斉に
「練習遅れてるのに怒られないって、社長かよ」
「私の父上が彼らに高級スパイクやグローブを提供して以来、あんな感じだよ。困ったもんだ」
彼は肩をすくめるが、まんざらでもない表情だ。金持ちの息子は
「ピッチングマシンはどうなりましたか?」
「ああ、アレね。
「っしゃあ、来い! ネコ塩!」
カンガルー男が叫ぶと、ピッチングロボが本物さながらのダイナミックなフォームで投げこんでくる。ミットがグラウンド全体に響く音を立てる。
「あれがピッチングロボK。どんな投手でも100球以上のデータを打ち込めば、本物そっくりの球質、スピード、フォームを再現してくれるスグレモノだよ」
「ハァー。スッゲェー」
開いた口がふさがらない。さらに、恐るべきことに、どの打者も
「パワーランクSぞろいかよ」
「
「同じコース?」
目をこらせば、どの打者も真ん中付近のボールをフルスイングしている。それ以外のゾーンに来ると見送ったり、空振りしたりしている。
「ど真ん中打ってるだけか」
「ブラボ―! よく気づいたね。私の野球部は、ど真ん中の失投を確実に打てるよう、トレーニングしてるんだ」
どんなコントロールの良い投手でも、1試合に2、3球はど真ん中へ投げてしまう。それを絶対に見逃さない重量打線を作るつもりか。
「
「わかりました。では、お2人さん、私の
ポツポツ雨が降ってくる。まぁ、この程度なら練習は出来る。
「傘を差してくれ」
「かしこまりました」
正直、奴の投げるボールより、傘を持ったメイドさんが気になってしかたない。それを許す
(夏大予選まであと21日)
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