231球目 満塁で敬遠してはいけない
満塁で敬遠して、9人内野シフトを敷くなんて、
「おお怖い、怖い。食べられるわぁ」
「チーさん、真っすぐ一本、狙い打ちー!」
ネクストバッターズサークルの
三塁ベースコーチの俺も
「ストラ―イクッ!」
初球はスライダーだ。犬の時と違って、リリース寸前に握りがよく見える。ただ、ストレートとスライダーは見分けにくい。
「ストラ―イクッ!」
ストレートを振り遅れてしまった。もう後がない。チェンジアップやフォークのようなわかりやすいボール投げてくれー。
3球目はゆったりと振りかぶってきた。完全にナメられて、あっ、人差し指と中指の間隔がさっきより広い。シュートだ。
「シュート!」
俺の叫び声で、チーターの眼がかっ開く。
「ニャアアアアアアア!」
打球は快音を残して無人のセンターへ飛んだ。
(続く)
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