祝! 5000PV記念おまけストーリー 千井田さんのツッパリチーター伝説

※皆様のおかげで通算5000PVを超えました。その記念として、当小説の人気キャラのチーターな千井田ちいださんのおまけ小説を書きました。



 甲子園第三小学校の教室でイジメが発生していた。



「やーいやーい、千井田ちいだの泣き虫毛虫ウジ虫チーター」


「お前の姉ちゃんの頭ん中空っぽー」


「お前の父ちゃんヘンタイメガネ―」



 3人の男子が1人の少年の周りで踊り狂い、精神攻撃をしている。少年は泣きべそをかいて、机をじっと見ている。



「コラ―! うちの弟をいじめるなぁ!」



 チーター女子が教室に入るやいなや、チーターパンチ、チーターキック、チーターエルボーをそれぞれの男子に喰らわす。



「何しやがるんや!」


「覚えてろー」



 彼らは敗北者のセリフを吐いて退散する。



「もう、勇気ゆうきったら! 少しは言い返さなアカンやん」



 純子じゅんこは弟の頭を小突こづいて言う。



「だって、あいつら、本当のこと言ってくるもん」


「あたいの頭の中身は空っぽちゃうやろがい!」



 純子じゅんこが両拳で弟のこめかみをグリグリする。勇気ゆうきは「痛い、痛い」と涙を流してうめく。



番馬ばんばさん、あいつです! やっつけちゃって下さい!」



 いじめっ子3人組が学ランを着た男を連れて来た。近くの中学校の制服を着ているが、その体格は現役の相撲すもう力士のようである。



「よくも、俺様の子分をやってくれたなぁ」



 番馬ばんばは拳を固めて殺気を放っている。純子じゅんこは怯むことなく、猫背で構えている。



「さぁ。いつでも来んかい」


「フン! あたいが勝ったら、二度と勇気ゆうきをいじめんなや」



 純子じゅんこの毛深い拳が、番馬ばんばの腹を殴りつける。



「チーターパンチ! チーターパンチ! チーターパンチ! チーターパン! チーターパン! チーパン! チーパン! チーパン!」



 だが、バランスボールを殴っているみたいに、全く手ごたえがない。番馬ばんばは眉一つも動かさない。



「それがお前の本気か」



 番馬ばんばの重たいパンチが、純子じゅんこのみぞおちにヒット。彼女はあまりの痛さにしゃがみこむ。痛みが体中に伝播でんぱして立ち上がれない。



 このままだと負けると思った彼女は、黒目を大きくして、キュルンと可愛い鳴き声を上げる。



「かっ、かわいい……」



 チーターの子猫顔に番馬ばんばの戦闘意欲が失せる。



番馬ばんばさん、何やってんの? 早くパンチを!」


「うっせぇ! こんなかわいい動物を殴れっか!」



 番馬ばんばの注意が子分に向く。純子じゅんこはその瞬間を逃さない。番馬ばんばの男の勲章に噛みついた。



「ギャアアアアア!」



 番馬ばんばは悲痛な叫び声を上げ、四つんばいになって逃げていった。



「ば、番馬ばんばさーん、どこ行くんですかー?」



 子分達はこけつまろびつしながら番馬ばんばを追う。



「ねっ、姉ちゃん、スゲェ! オレ、強くなりたい!」



 勇気ゆうきの目が輝いている。純子じゅんこはヒゲをさわりながら、得意気な顔をしている。



 この後、彼女は色んな人と戦うことになるが、それは別の機会でお話ししよう。



(おまけストーリー終わり)

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