199球目 真っスラを投げるしかない
短時間しか発動できないハンズキャノンが消え、
目の前には、本日3安打の
「おーい、
「ボーッとすんじゃねぇよ。いつものお前はどないしたん? いつもどおり、ここの観客を
「でも、あいつを抑えるのは、俺にはもう……」
「ああ。ストレートどこに散らしても打ちよるわ。でも、お前には真っスラがある。腕を振りぬいて、強う投げろ」
「お、おう」
「フゥ。俺の高校野球もここまでか」
最後の悪あがきで
「ファール!」
首の皮一枚の差のファールだ。あれがフェアなら、ゲームセットになっていた。
「何やその球ぁ! 力いっぱい投げんかい!」
「うっさいなぁ。ムリなもんはムリや」
「ムリやったら、俺が投げますよ」
「お前が……、ピッチャー……?」
1年生にマウンドを譲るのは
「いや、譲らん! 俺はこのマウンドに最後まで立つ!」
「もう1球、こい!」
「よっしゃあ! 三球三振やぁ!」
再び、
同時に、
(続く)
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