47球目 スライダーの区別がつかない
いつものボール持ちランニングの後、
しかし、俺のスライダーが捕れない。
「ウップス! ソーリー、ミスター・ミズミヤ」
「おいい。キャッチャーフライの落下点読むの上手いのに、どうしてスライダーが捕れないんだよ。変化量を計算してキャッチしろよー」
「ウェル、ピッチャーは
野球経験が遊び程度しかなかった奴に、スライダーのキャッチングを求めるのは酷だと思う。スライダーを封印するのも一つの手だ。
そうなれば、俺はストレートとチェンジアップ(スピードのないボール。投手によって特徴が異なる)の
俺はマウンド上であぐらをかいて、
「どしたの二人とも?」
「オー、ミス・ツトー。私がスライダーをキャッチできなくて、ミスター・ミズミヤが困っています」
「スライダーねぇ。あたしがバッターボックス入るから、何球か投げてみて。その間、
俺は左打者の
「OK。大体わかったわ。
「サンクス、ミス・ツトー」
そんなアドバイスで捕れるものか。
「アウチ! はっ、入った!」
ミットのへりギリギリだが、ちゃんとボールが挟まっている。もう一丁!
「OK! 2フィートジャストです」
具体的な数値がわかれば捕れるなんて、他の野球初心者がうらやむ能力だ。
あとで、こっそり辞書で調べてみたが、2フィートは60センチらしい。もっとスライダーが曲がるよう、
(初の練習試合まであと6日)
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