17球目 キツネとタヌキは仲が悪くない
不良グループと
「ちょっと、あんたら、あたいらの、
「何やネコちゃんか。ネコちゃんにはマタタビあげるね」
タヌキ女がマタタビを放り投げる。
「そんなものにあたいが釣られるとでも、うっ、ふにゃあん」
まさに即落ち2コマだ。
「それ、実は、うちの親父の
「くっ、くつ下? く、く、くさぁ!」
マタタビが黄ばんだ
「お前ら2人はワシが相手や」
「サイエンスを極めた私が、ジャパニーズフォックスのイリュージョンに負けません」
「あんた、IQ高そうやな。じゃ、ワシの
キツネが葉っぱをまき散らす。目くらましかと思いきや、地響きが起こる。
「ワンワンワンワン!」
公園のあちらこちらから、犬たちが駆けてくる。犬軍団は
「ハハハ。あんたが骨付き肉に見えるよ、犬に幻術かけたんや」
「さぁ、あんたを倒してシメとするか」
「なぁ、キツネさん。俺と手を組んで、あの先輩が
「へっ? あんた、ワシと戦わへんの? せっかく、
キツネは眉をひそめて、人間の顔に戻っていく。その顔は、昨日、野球場の近くにいたカップルの男の方だった。
「おそらく、
「ハハハ。味方を裏切るなんて、あんた、ワシ以上にキツネやな」
俺とキツネはどす黒い握手を交わす。
(水宮入部まであと5人)
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