153球目 普通のトラはバター化しない
「アウト、アウト! バッターアウト!」
「やったー! やったぞー!」
「ナイスピッチン!」
俺達は試合が終わったかのように喜ぶ。
「チキショー! コノオレサンシン、サンシ……」
「タイム、タイム!」
審判がタイムをかけ、白衣の女性がグラウンドに入ってくる。彼女はバケツとたくさんのひしゃくを持っている。
「皆さん!
敵味方関係なく、俺達は
「ありがとうございました。ただちに病院に連れていきます」
「お願いします」
試合が再開し、俺がピッチャー、
4番の
「ミスター・ハリーには、セオリーの逆をやります。ストレート、スライダー、チェンジの順で投げて下さい」
「えっ? それ、危なくないか?」
遅いボールの後に速球を投げて、実際より速く見せるのがセオリーだ。
「ミスター・ミズミヤなら出来ます。イエス、ユーキャン!」
「OK。アイハフトゥ―アウトザバッター」
俺のヘタレ英語を聞いた
「理事長おばさん、よーく見とけよ」
この野球部は
(浜甲学園勝利まであと1人)
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