255球目 デブドラゴン化が似合わない
「あー。ちょっと雨が強くなってきたかしらん」
「サッカーなら、この程度の雨問題ないですが、野球はやり辛そうですね」
グル監と
オラゴン星人化は恥ずかしいが、やはり治してもらうしかないな。
「
「了解!」
銀色の液体が俺の顔に達すると、マッサージをするように頬の筋肉をほぐし、鼻と口を前に突き出した。うわぁ、額いが裂けるように痛い。この痛みは何、あっ、収まった。
どうやら、額に三番目の眼が出来たようだ。相手チームのユニフォームのしわの数や泥までくっきり見える。これが火星の見えている世界か。
「オー! ミスター・ミズミヤがオラ、ドラゴンに!」
「キャー、かわいー!」
「あたいの抱き枕にしたいやん!」
チームメイトの視線が、一斉に俺に集中する。ベンチの鏡を見てみれば、俺は銀色のトカゲ系獣人になっていた。髪の毛以外は毛が1本も生えていない。洗い立ての机の表面のようにつるつるしているし、グミのようにぷにぷにしている。
「痛みが全くない。火星、ありがとう!」
「無問題!」
火星は親指を突き立てて言う。
それにしても、ユニフォームから出たぽっこりお腹は、どうにかならんものか。
俺の前の
「ハハハ。おデブドラゴンちゃんか! かわいがってやるぜー!」
「かわいいでちゅねー」
「早くドラゴンの国におかえりー」
「ボール遊びしましょかー」
スタンドの
「
「はいっ、すみません!」
俺は4番として、
(続く)
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