242球目 ヤンキー相手にストレートを投げない
「クソ―、
「ここは、待球とカット作戦や。
「了解でやんす」
針金のように細く、ネズミのごとく出っ歯な
初球はアウトローいっぱいにカーブが決まる。100キロ台の一般的なカーブなので、
2球目は縦のカーブがワンバウンドのボールになった。かなり落差があったので、
3球目は肩口から真ん中に曲がる甘いカーブだ。待球作戦が出ていなかったら打ってたと、
2ストライクに追い込まれた
4球目のスライダー気味のカーブ、5球目の小さく曲がるカーブもファールゾーンへ打ち返した。
しかし、6球目の揺れるカーブは、ファールゾーンへ飛ばせなかった。ショートへの平凡なゴロになってしまう。
「すみません。アウトになってもたでやんす」
「いやいや、ええぞ
申し訳ないと下げる
「こいや! ションベンカーブのチビ!」
(続く)
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