84球目 特訓は1日で終わらない(月曜日)
数か月の
「ジャーン! 月に向かって打て」
センターの一番深い所に、地面に突き刺さった物干し
「打球があの月に当たった人は、来週の練習を休む権利が得られます。みんな頑張ってねー」
グル監の笑顔で、みんながやる気になってバットをブンブン振り始める。俺と
「
「ええ。ホームラン打つのも難しいのに、センターのあそこにピンポイントで当てるなんて、かなり
「ピッチャーが人間やったら、僕の能力で何とかなるかもやけど。おや? あれは何や?」
「
「サンクス、
「ピッチャー太郎02? ストレート以外も投げられるようになったん?」
「イエス、ミス・ツトー。ストレート以外に、スライダー、カーブ、チェンジアップが投げられます。また、レフトハンドのピッチングも出来ます」
「1人20球チャレンジよ。待ってる間は素振りしてね!」
打つのは背番号順で、俺がトップだ。ホームラン&センター返しが必要なので、打席の中央に立って、バットは下から上のアッパースイングだ。
「ピッチャー太郎02、ピッチングスタート!」
いきなりストレートだ。俺のバットに当たるも、大きな内野フライになってしまう。
次はカーブでタイミングが合わず。3球目、チェンジアップなんて打てるか。4球目のストレート、俺に近すぎて打てないって。5球目もダメ、6球目、7球目、8球目……。
結局、20球中6球バットに当たったが、内野フライ5本、外野フライ1本という散々な結果だ。
俺の次の
「
「確かに。打撃のパワーアップに良さそうだな、この練習」
「せやね。前の試合はみんな、
「打率は下がりそうだけどな」
「ほんなら、聞くけど、
前者は
「うーん。やっぱりホームラン打つバッターかなぁ。シングルヒットマンは守備位置変えたらアウトに出来る可能性あるけど、ホームランは防げないよ」
「そうそう。どの打順の人も長打が出るようになったら、甲子園は間近やんね」
バッターボックスを見れば、
(夏大予選まであと81日)
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