2回裏 浜甲野球部存続をかけた試合プレイボール!!
110球目 鳥になって飛ぶのは容易じゃない
大阪府の
そんな高校と野球部に存続をかけた試合をやるなんて、無理ゲーすぎる。しかし、
「どんな強いチームにも必ず弱点がある! そこを突けば勝てるよ! そのためには
というワケで、俺と
「どうやって、
「ハンタイダイのコスチュームを着るんでしょうか?」
「もっとバレにくい方法があるんですよね、
「うっ、うん。この子達を使うんや」
「鳥を使うのか?」
鳥たちが目撃したことを
「小型カメラをセットしますか?」
「いいや。俺っち達が鳥になるんや」
「えぇ? それ、どういうこと?」
「この鳥たちと魂を入れ替えたら、鳥になってあの高校に忍び込める。小型カメラを頭に載せる案も考えとったけど、ちゃんと撮れるかどうか不安。それやったら、自分らが鳥の目で見た方が確実やと思うて」
TV番組で、人間と動物の魂を入れ替える超能力を見たが、正直ウソ臭いと思っていた。だが、実際にそれをやる人物が身近にいるとはなぁ。
「俺っちはカラス、
言われたとおり、ベンチ上のシジュウカラの
「ハイ、目を開けてカァ!」
目を開ければ、
「
「ホワイトアイは、私のイメージにピッタリですチー」
つぶらな瞳の
「これが鳥か。何か、いつもより世界がキレイに見えるツピー」
自然と語尾に鳥の鳴き声がつく。とても恥ずかしい。
「人間の姿でおとなしくしてくれカァ」
4人は黙ってうなずく。目の前に自分の顔がいるのは、かなり奇妙な光景だ。
「それじゃ、
烏丸ガラスが勢いよく羽ばたくが、俺達はベンチ上でとまどう。
「あれ? どうしたカァ?」
「飛び方がわからないチュン」
「羽を広げて、上下に動かさせば飛べるカァ。人の頭でわからなくなっても、鳥の体が覚えとるカァ」
飛べることは嬉しいが、かなりキツい! 水泳のバタフライをやっているかのように、背筋が悲鳴を上げる。毎日こんな飛行をしているから、鳥って意外とマッチョなんだな。
(続く)
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