476球目 もう人数不足に悩まされない

「結果はっぴょーう!」



 グラウンドに緊張が走る。



白山しらやまさん!」

「よっしゃあ!」



 白山しらやまさんはキツネ化して、ふわふわ尻尾をビュンビュン振る。



八百谷やおたにさん!」

「やったぁ!」



 八百谷やおたにさんはタヌキ化して、白山しらやまさんとハイタッチする。彼女はぽっちゃり体型だが、細身の白山しらやまさんと同じぐらい俊敏だ。



三毛根みけね君」

「キター! 千井田ちいださんと同じ部活ぅ、やっふー!」



 ネコ耳男子の三毛根みけねは陸上部員だ。部員勧誘の時に喋ったなぁ、たしか(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895930927/episodes/1177354054896016089)。



形代かたしろさん」

「はーい」



 じめじめした長い黒髪の形代かたしろさんは、烏丸からすまさんもドン引きするほどヤバイ奴だ。普段持ってる人形がなくても、不気味なオーラが漂っている。動きはのろいが、ボールを捕る確実性が、採用の決め手となった。



「マクダミッドさん!」

「イエス、アイキャン!」



 緑のドレッドヘアーの留学生が両手を挙げる。肉たくさん食ってそうな恵体で、ホームラン量産しよう。



男女川みのりかわ君」

「はっ、はいい」



 彼女、いや彼か? 中性的な男女川みのりかわは、どんな打球でも追いついて体のどこかに当てる守備範囲の広さが、採用の決め手となった。



 こうして、浜甲はまこう学園野球部は18人で、全国大会に挑むことになった。



(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る