506球目 津灯は名探偵かもしれない

「ゲームで勝負するなら、宅部やかべさんとした方が面白いですよ」



 津灯つとう夜野よるのを好戦的な目つきで睨む。夜野よるのは涼しい顔で「何のことかしら」とつぶやく。



「わかってるんです。あなたはピンチやチャンスの場面で、相手選手とよく接触し、その直後に超能力の回数が減っている。つまり、あなたの超能力は、相手との接触で発動する!」



 ちなみに、球審は超能力の発動がわかるスカウターをつけている。また、スコアボードの選手名の下に、超能力の残り使用回数が表示されている。



「ウフフ。中々鋭いねぇ、君。でも、何でゲーム勝負なの?」


水宮みずみや君の残したメッセージに、宅部やかべさんと対戦するよう書かれていました。宅部やかべさんはゲームに強い、きっと、あなたは何らかの超能力で相手とゲーム対戦が出来るんです!」


「ゲームが得意、ねぇ」


「こら、早く戻りなさい」



 夜野よるの水宮みずみやよりも、俄然がぜん宅部やかべとゲーム勝負したくなってきた。彼女は無抵抗の三球三振で、次のバッターに託す。



友野ともの君、千本せんもとさん、後は頼むわ」


「任せて下さい!」

「はい」



 俊足鹿兎コンビが、浜甲はまこうナインに襲いかかる。



(続く)

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