90球目 高校生とは試合をしない
1週間の特訓の成果を発揮するため、日曜日は練習試合をやることになった。対戦相手が来るまで、守備練習ざんまいだ。
「
俺は
「そうだなー。やっおぱ、センバツベスト8の
「俺様は
「オレ的には、ブラバンが強い
「私は、神戸ポートタウン大付属とゲームしたいです。あのハイスクールのデータベースボールに勝ってみたいです」
「なるほど。ポー大は2年連続で夏の甲子園行ってるから、強敵中の強敵やもんね。
「皆さん、対戦相手が来ましたよー」
グル監がパンパンと手を叩けば、守備練習は終わり。出入り口の対戦相手を見る。俺より小さい野球少年がぞろぞろ入って来る。中には
「いやぁ、高校のグラウンド借りられるなんて、夢のようですわぁ」
七福神の中にいそうな、ツルッパゲで顔の長い監督が、グル監に何度も頭を下げる。
「いえいえ、こちらこそ。うちみたいなチームと試合をしていただけて」
2人があいさつを交わした後、対戦相手が守りについてノックを始める。俺達はベンチに戻って、念入りにストレッチだ。
「監督。今日の対戦相手はどこの高校ですか?」
「高校じゃなくて、中学の硬式野球チームよ。
「えー? 中学ぅ?」
てっきり強豪校の2軍と試合できると思っていただけに、これじゃあ拍子抜けだ。
「
「あー。一理ありますね」
手抜きの高校生より全力の中学生か。
「水宮君、今日は勝とうねっ!」
「よしっ! 頑張る!」
シャドウ・ピッチングで腕の振りを確かめながら、闘志の炎を点火する。
(夏大予選まであと75日)
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