448球目 敗北者に明日はない
「あのぉ、TV見えないんですけど」
「ハァー、浜甲負けろ、浜甲負けろ。負けるは浜甲、負けるは浜甲」
理事長夫人は全身を使って踊り狂い、しわがれた声で叫ぶ。
「ダメだこりゃ」
園田はスマホを出して、高校野球速報の画面で観戦し始める。
※※※
浜甲学園の応援団の中に、
「ハハハ。この試合、浜甲の勝ちや」
「
「だってぇ、ポートタウンのピッチャー、しょぼい奴しかおらんもん」
「せやな。
「何ぃ!? 俺がヘボだって!!」
「コールド負けしたやんけ」
「そっちこそ
「目くそ鼻くその争いはやめなはれ! アニメ『ガンガン・サバイバー』のオレガ大佐が言っとるやろ。能力の低い者同士の争いほど無意味なものはないって」
「「黙れ、アニ豚!!」」
「ちょっとぉ、ケンカは外でやってやしぃ」
「あああああ。不吉な予感がするわぁ」
※※※
「データ野球も大したことないなぁ」
「確かに。急造投手リレーに
「ポートタウンが裏の攻撃ってのも有利か。何点取られても、データで何とかするからな」
「ええ。浜甲が勝ちたいなら、延長10回に勝ち越す。これに尽きますよ」
延長10回表、浜甲学園最初のバッターは、アウトコースヒッター・
(続く)
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