107球目 黒塗りの高級車に乗りたくない
俺は
少し離れて待っていれば、
「おい、
「私の追っかけかい?」
「ちげーよ。7回の連続
彼はあごでしゃくって、「入りたまえ」とドアを開ける。
「君の自宅まで送っていくよ」
「いや、そこまでしなくていいから」
「なぁに、昨日のピッチングマシンの設計図のお礼さ」
「すぐに済む話だから」
「こっちも話がしたかったんだ」
「しゃあない。わかったよ」
彼の強引な押しに負けて、車内に入る。
「BGMはそうだ……、「オーバー・ザ・レインボー」にしよう」
ゆるやかに流れる雲のような音楽をバックに、彼が問いかける。
「どうして、私が故意に
「うーん。1死3塁なら、ヒットはもちろん、犠牲フライやスクイズなんかで1点失うだろ。でも、満塁にしたら、ランナーに直接タッチしなくても、ベースを踏むだけでアウトに出来る。だから、満塁策を取ったのかなって。あと笑ってたから」
「素晴らしい
「君がオズの魔法使のパーティーのような貧弱なチームにいるのは、もったいないと思うよ。うちの高校に転校しないか?」
(夏大予選まであと47日)
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