38球目 手ノックは難しくない
来週の練習試合に向けて、土曜も練習になった。いつものランニングの後、ひたすら守備練習だ。
「はい! 1時間やったから15分休みです!」
強豪チームにいた俺でさえ、まともに立てない。他の連中もぐったりしている。
「キャッチャーはホット。ベリィベリィ
「
「次は
「ノック……、あれ? 俺やったことないか」
いつもクソ親父の地獄ノックを受けてきたが、自分がノックをしたことがない。
「手ノックでええよ。
「まっ、まぁ、それなら……」
外野までボールを投げられるかわからんが、またノックを受けるのは嫌だから、手ノックを引き受ける。
15分後、俺がノッカーになり、
「行きますよー!」
まずはサードの
「死ね、ゴルァ!」
彼の返球は俺の顔の横をかすめ、後ろの金網を破る。
「痛みっ!」
バックネット裏の木陰の誰かに当たったみたいだ。死んでなきゃいいが……。
「
「あっ、俺様も! 死んでたらヤバいからな」
「うん、わかった。おわびに野球部に誘っといてね」
俺と
(初の練習試合まであと8日)
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