43球目 理事長夫人は抜け目がない
理事長室は、美術館に置いてありそうなでかい
俺達はキシキシ鳴るパイプ
「
「えー。2人は野球部の
「具体的に言うと、あなた達が彼らを野球部に入れたことで、陸上部とバスケ部の全国大会出場の可能性が低くなってしまった。これは、部活のみならず、我が校にとって大きな損失よ。必ず誰か入る公立ならともかく、部活の活躍で人気が左右される私立なのだから」
夫人はワイングラスの水を一気に飲みほし、グラスをテーブルに叩きつける。彼女の顔は怒りのしわが刻まれている。
「先週の職員会議において、他の部活に所属する
「へぇー、そうなんですね。先に伝えて下さり、誠にありがとうございます」
「いいですか? この規則を破った部活は活動停止、あまりにも悪質な
理事長は首ふり人形のように「うんうん」と十回ぐらいうなずく。
「わかりました。今後、あたし達は、他の部活の方を
理事長室を出れば、
「あー、朝から疲れたわぁー。理事長の奥さん、めちゃ怖いねぇー」
「どうすんだよ、
「どんなルールにも抜け道があるよ。他の部活の生徒がダメやったら、どの部活にも所属していない子を入れたらええだけの話やもん」
俺達に残されたのは、帰宅部の
(初の練習試合まであと6日)
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