439球目 怨念ボールは打ちたくない
6回表のマウンドに立ったのは、
「ここは
いきなり寒いダジャレを発して、グラウンドがヒンヤリした。
「皆の後悔よ、ボールに集まれ!」
「喰らえ!
「美女と付き合いたかったぁ!」
「ホームラン打てへん!」
「俺の論文盗みやがったなぁ!」
バッターの
「ストライクッ!」
120キロのストレートだが、人の顔目がけて撃つのは気が引ける。
「ひいいいい、人でなしぃ!」
しわくちゃのおじいさんの霊と目が合って、一瞬体が固まった。慌てて
「ボールをぞんざいに扱ったら、霊に呪われますかね?」
「大丈夫やで。ここらの霊は自分の主張を、誰かに聞いてももらいたいだけやからガァ」
ハァ。何で試合中に呪いを心配せにゃならんのだ。
「
「
スタンドから呪いの言葉が聞こえてくる。あああ、無視だ、無視!
次の中田がライトフライに倒れて、この回は0点で締めた。
(続く)
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