456球目 ゲームセットにしたくない
「ごめん、ごめんね!」
手を合わせて謝る
「ミス・ツトー、ベンチへ行ってドリンクを飲んできて下さい」
「うん、わかった」
彼女の足取りに前の回の
彼女をベンチに下げるのがベストだが、このチームの精神的支柱を失うのは痛い。グル監は唇を噛みしめてこらえている。
「セーフ!」
内野はゲッツー狙い、外野は前進守備、絶対に3塁ランナーを返さない守りだ。
俺は友永を2-2に追い込む。運命の5球目、
「レ、レフト!」
打球はレフトの
「バックホーム!」
「セーフ! ゲームセット!」
そんな……。こんなにあっけない幕切れなんて……。
(続く)
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