358球目 この小説は100日後にホームランを打つワニが主役ではない
小学4年生の頃の
「ハハハ。大人やなくて犬人やないかい。ハハハ」
彼は昨日見た芸人のネタをつぶやきながら、道を歩いていた。そんな彼の頭に野球ボールがぶつかる。
「いっだー! 誰や!?」
彼は途端に頭をワニ化して怒鳴る。野球少年が帽子を取ってやって来る。
「ごめんなさい。ケガしてますか?」
「ごめんなー。俺がかっ飛ばしたばっかりに」
打った本人は悪びれる様子もない。
「えっ? これ、君が飛ばしたん?」
「おう。ホームランよ、ホームラン。あっこからな」
彼が指差したバッターボックスから
「すっごーい! 俺も飛ばしたいなぁ」
「ほんなら打ってみるか?」
ホームランを打った子に連れられて、彼はヘルメットをかぶせされ、バットを持った。彼の目にはグラウンドが学校のより広く見えて、自分をちっぽけな存在に感じた。
「
ホームランを打った選手が、マウンドの投手をいじる。
「うっさいなぁ! スリークォーターにしたから、大丈夫ですよ!」
「ピッチャーはツッコミ……」
ツッコミが負けるほどの強烈なボケスイングをかまそうと、
これがきっかけで、彼は野球を始め、ボールが頭に当たって100日後に、
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます