第244話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (16)

 だから私は牧田の奴を憤怒しつつ睨みながら。


「何よ?」と荒々しい声音で悪態をついてやった。


 私自身も前の彼氏の時に。


 男性相手の言い争い。


 抗う行為は経験済みだから。


 牧田相手に臆し、怯むこともなく睨み返すのだけれど。


 牧田の奴は、私に対して全く怯む様子もない。


 だから私は少し不味いなと思い。


 どうやればこの場から逃げることができるだろうか? と思案を始めるのと。


 和也が先ほどL○NEで、私のことを迎えにきてやると言ったから。


 和也に迎えにきてもらえばよかったと後悔を始めだす。


 でも今さら後悔をしてもしょうがない。


 今はとにかく自身の身を守らないといけない。


 だから私は、この場の状況を打破して逃げることばかり考え始める。


「おい! 新宮寺?」


「何よ?」


 この場から逃げることだけを考えている私を牧田が呼ぶから。


 呻りながら言葉を返すと。


「あのさ、新宮寺! 一回でえぇから、俺にもやらしてくれよ。前の彼氏や山田のように」と。


 牧田の奴は、私に対して可笑しなこと。


 一番言われ、訊ねられたくない最悪なことを。


 ケラケラといやらしく笑いながら告げてきた。


 だから私は、「いやよ!」と。


 牧田にまた荒々しく告げて。


 警察に通報してやるからと。


 自身のスマートフォンを慌てて出し。


 緊急非常事態のボタンを押そうと試みれば。


 バチン!


 バチン! と。


 私の頬から大変に大きな音──。


 牧田に頬を打たれた音がするから。


 私は唖然、呆然……。


 余りの出来事なので。


 私自身が身動きもできずに。


 只自身の頬に手を当てていると。


「煩いけぇ、新宮寺! 黙れやのぅ! これ以上大きな声を出して暴れてみぃやぁ。今度はビンタじゃすませんけぇのぅ」と。


 牧田は憤怒しながら荒らしく口調で呻りつつ。


 私を威嚇! 脅してきたのだ!


 これから牧田が私におこなおうとする行為を大人しく、耐え忍んでいろと告げれば。


 牧田はそのまま私に覆い被さってきた。


 するとあいつの汚い手は。


 私のスカートの中に入ってきて。


 私の下着を握り始める。


 ◇◇◇



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