第148話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (1)

「えっ! 嘘だろう?」


 そして「これは冗談だろう?」と。


 俺は最後に「マジか……」と。


 残念、無念な声を漏らしてしまう。


 う~ん、でもさ?


 俺の真横の奴……。


 そう、皆も、俺の横に座っている奴の顔を見れば。


『あれ? 何処かでお目にかかったな……』と思うに違いない奴。


 まあ、そいつはね。


 俺の横の席へと座り。


 自身の学園指定のカバンを置けば直ぐに。


「やったー!」、


「やったー! やったー!」


 そして「バンザイ! バンザイ! バンザイ! くじを当てて、和也の真横の席になれたー!」と。


 自身の両腕を天井へと向け、掲げ──!


 万歳三唱をおこない。


 そして終われば。


「だから私はうれしい! うれしいよー!」と。


 今度は歓喜だよ。


 幼い子供がはしゃぐように。


 更にそいつは、『キャ、キャ』と独りで大騒ぎを始めだすのだよ。


 本当にお猿さんのようにね。


 だから俺が、そいつにね。


「新宮寺、煩い! 静かにしろ! 俺の横で。そんなにもはしゃぐな。お前は猿か?」と。


 俺は不満アリアリな顔で沙紀の奴へと罵声を吐いてやる。


 そして吐き終えればね。


 俺はふと、ある事を思い出してしまう。


 そう、つい一月ぐらい前の出来事……。


 俺の『あぁ~、高〇三年生~♪』の始業式の日の出来事……。


 まあ、ここまで俺が呟けば。


 皆は直ぐに察しがつくとは思うけれど?


 俺が高校生活最後の年に。


 未だお付き合いをしていた沙紀の奴と同じクラスになれたことで。


 俺は歓喜して、万歳三唱をおこなったのだが。


 あの時の俺の様子と。


 今の沙紀の様子が重なって見えるよなと。


 俺は思いながら。


 苦笑いを浮かべれば。


「和也~、余り嬉しそうにないけれど。私と隣の席になれたのに嬉しくないの?」


 コイツ、と言うか?


 まあ、沙紀の奴だけれど。


 まあ、ぬけぬけと言うか?


 今更と言うか?


 自分から好きこのんで別れた、元々彼の俺に対して。


 こんな事を平然と聞くなよな。


 それも?


 無邪気と言うか?


 自身の小首を傾げ。


 アイツは、沙紀の奴は。


 悪意なく、俺に問いかけてくる。。



(お願い)


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