第149話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (2)

 でも俺は爽やかスポーツ系の青春ラブコメの主人公ヒーロー様ではないからね。


 自身の口を開け──。白い歯を〈キラリン〉と輝かすのは。


 コイツ!


 沙紀の奴にするのは大変に勿体ないから。


「はぁー、何で俺が新宮寺。お前と隣の席になる事を喜ばないといけないのだ? 俺は前の席の方が窓も近いし。外を眺め。景色を見る事ができたから。俺的には前の席がよかったぞ」と。


 俺が沙紀の奴へと罵声を吐けば。


「本当に和也の言う通りよね。私も今回の席替えの席よりも以前の席。和也の隣の席が良かったわ……」


 ブゥブゥと豚が鳴くように不満を漏らす俺の斜め後ろ──。


 そう、沙紀の真後ろの少女……。


 ショートカットが大変にお似合いな麗しい少女であり。


 今回のクラスの席替え前までは。


 俺の真横の席であり。


 俺を捨てた沙紀の代わりに。


 俺の彼女のような振る舞いをしていた山本加奈も俺に続くように。


 ブゥブゥと不満を漏らすと。


「はぁ~、何を言っているの山本さん! 私さ、山本さんと和也の様子を見ていてね。ずぅ~っと不満ばかり募らせていたのよ。だから私はこれでやっと。山本さんと和也の様子を見て嫉妬心を募らせ、不快な気分へとならなくなるから。せいせいするわ……。ねぇ、蘭もそう思うでしょう?」


 今回の席替えによる加奈の不満を聞いた沙紀の奴はと言うと?


 憤怒しながら自身の不満……。


 俺の今カノような振る舞いをする加奈のことが気に入らないと不満を漏らし、終えると。


 今度は自身の目の前──。


 そう、今回の席替えで俺の斜め前の席が決まり座って──。


 俺と沙紀、加奈の会話を聞き、様子を窺っていた蘭へと訊ね。


 話しを振れば。


「ああ、確かに沙紀の言う通りで。山本さんの和也への甘え方は度が過ぎるから。私も沙紀のよう二人の様子……。山本さんがさり気なく、じゃないよね? 山本さんって! 威風堂々と和也は自分の物だと。他人にアピールしているもんね!」


「そうそう、私も山本さんと和也の様子を見ては、蘭の言う通り。いつも思っては『キィー!』となっていたもんね」


「ああ、うちも……」と。


 蘭と沙紀の二人が、俺に事ある毎……。


 もう、それこそ?


 授業中であろうとも加奈がお構いなしに俺へと甘える様子を見ては。


 二人は腹が立って仕方がなかったのだと。


 加奈に不満を漏らせば。




(お願い)


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