第156話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (9)

「うちにも優しいよ。和也は」


「そうなんだ?」


「うん」と蘭が、加奈へと頷けば。


「大田さん、最初は、和也とどんな感じで始まったの?」


「えっ! うち?」


「どうって、あの……。うちが強引に和也を押し倒して、奪っちゃった」、


「えっ、へへへっ」と。


 蘭の奴は、加奈からの意味深な問いかけに対してあいつは。


 嫌がる素振りも見せずに平然と。


 それも嬉しそうに言葉を返すものだから。


 俺はチョイ待て、二人共と。


 声をかけたくなる衝動に駆れる。


 でも、俺が二人に、『もうそんな意味深な会話をするなよなぁ』と告げ、諫める前に。


「私と一緒なんだね、大田さんは……」と。


 俺が再度、二人のことを諫める前に。


 加奈が蘭へと、俺との関係を説明する方が早く。


 蘭は加奈の嬉しそう……だけではなく。


 加奈の幸せそうな笑みを見ながらあいつも。


「うん、そう」と。


 蘭の奴も。加奈と変わらないぐらいの微笑み浮かべながら。


 あいつは、何に対して納得をしたのかは。


 俺自身にもよくはわからないけれど。


 蘭と加奈の二人は、何かしら意気投合したみたいで。


 今までいがみあっていた二人なのだが、笑みを浮かべ。


 和気藹々とした様子を見せ始めだしたから。


 俺はホッとしながら胸を撫でおろす。


 それもある奴。


 そう、俺の真横の席へとなり。


 歓喜していた。


 新宮寺沙紀の存在を俺は完全に忘れ、安堵感に浸り。



(お願い)


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