第157話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (10)

 自身の腕を組みながら。


「うん、うん」と首肯すれば。


「ちょっと何、二人とも~」と。


 沙紀が呻りながら蘭と加奈へと呼びかける。


 だから二人は。


「……ん? 何、沙紀?」


「新宮寺さん、どうかしたの?」と。


 二人は仲良く、沙紀の方へと視線を変え、可愛く。


 自身の小首を傾げると。


「何? どうした? じゃ、ないでしょう。二人とも……」と。


 沙紀が自身の顔を真っ赤にしながら二人へと。


 まあ、呻るように言葉をかけるから。


 俺も含めて、蘭と加奈とで。


「……?」


「? ?」


「? ? ?」と。


 何で沙紀の奴が憤怒したのか、わからない顔をしながら。


 三人で仲良く、顔を見合わせ、首を傾げていると。


「和也は、私のものなのに。なんで二人は。私と和也が喧嘩をしているのをいいことに。その隙をついて、和也に優艶に迫り。好感度を『ピロリン!』とあげて自分達のもの……。いつの間にか、和也の彼女のように振る舞っているのよ。二人は!」、


『プンプン』と。


 沙紀にしては大変に珍しい様子……。


 そう、コイツ、沙紀の奴だけれど。


 コイツに俺がフラれた時のこと……。


 回想シーンと言う奴を思い出してもらえればわかる通りだ。


 沙紀の奴は、彼氏だった俺に対してや。


 アイツの元彼の大学性の奴との、お付き合いの時もそうだったみたいだが。


 沙紀の奴は基本彼氏に対しては口煩いと言うか?


 アイツは生意気で。


 ツンなところがある。


(お願い)


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