第158話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (11)

 でも沙紀の奴は、自身の友人やクラスメイトに対して憤怒しながら罵声を上げると言うことはない。


 だってアイツ自身は、友人や知人に対しては。


 必ずと言ってよいほど。


 良い人ぶるところがある。


 なのに? 沙紀の奴が蘭と加奈へと罵声を上げるものだから。


 俺自身も、余りに突然のことになるから。


 自身の口が開いたままで、ポカーンと塞がらない状態へと陥りながら、三人の様子を窺えば。


「はぁ~、沙紀。あんた、何を言っているの?」と。


 沙紀の幼稚園からの友人であり、幼馴染でもある。


 蘭の奴が直ぐに怪訝な表情で沙紀へと問いかけ始める。


「はぁ、なにを言っているって。先ほど私が蘭と山本さんに言った通りよ。私と和也が喧嘩をしている最中に。二人添って、私から和也を盗んだじゃない」


 沙紀の奴が本当に可笑しなことをまた、不平不満として漏らし始めるから。


「うちと山本さんが和也を沙紀、あんたから盗んだって? うちら二人がいつ和也を盗んだの? 言ってみなさいよ。沙紀?」と。


 沙紀の奴の道理が通らない不平不満に対して。


 アイツの幼馴染である蘭の奴が憤怒しながら問えば。


「だって山本さん、私と和也が別れたと知れば。直ぐに告白をするし」と。


 沙紀の奴がここまで、愚痴を漏らしたところで。


「うち、あの時、沙紀に聞いたはずだよ。山本さんが和也に告白をしているけれど。本当にあんたに良いのか? とね。それも一度だけではなく。沙紀、あんたに何度も訊ねたはずだよ。それと本当にあんた後で後悔をしないの? と訊ねたはずだよ……。でも、あんたは、あの時に別にいいもん。問題無いもんと。うちらに言ったよね? うちはちゃんと覚えているよ、沙紀……。だから和也を沙紀、あんたから盗んだ何て言い方はよくないよ」と。


 蘭が沙紀の不平不満を諫めると。




(お願い)


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