第249話 高校三年生になれば、こんなにも怒ることがあるのかな? (21)

 牧田自身がパンツ一丁な情けない格好をしているのと。


 沙紀の下着の方も、アイツの両足の膝の部分まで下がっているのを。


 俺は確認しているのに、牧田の奴は調子のいいことを言いやがるから。


「牧田、お前! 沙紀の下着が膝まで降りているのを。俺は見て確認しているのに。何、お前はぁっ! 何を調子のいいこと言っているんだ」と。


 俺は憤怒しながら咆哮。


 今度こそ間違え無しに女を寝取られ、NTRされた俺だから。


「牧田ー! 俺が教室に入った時に。お前、沙紀に乗っかっていただろうが。何をうそばりついているのだ。沙紀の奴だって。今お前のことを庇っただろうがぁっ! 余り俺にうそばっかりついて。自分の女を放置してにげるようならば。マジで本当に堪えんぞ! お前ぇっ!」


 俺は呻りつつ、咆哮──!


 俺に怯える牧田へと詰め寄ると。


 今度は牧田の足の股や関節へと回し蹴りの連打だよ。


 牧田の奴が、痛みに耐え兼ねられなくなり。


 地べたにへたり込むまで蹴りを入れた。


「痛い。痛い。山田、もう勘弁してくれ。マジで許してくれよ」


 牧田の奴がベソかきつつ、へたり込んだ状態で嘆願しようが。


 俺は牧田の奴の背中に回し蹴りと前蹴り、足刀の連打を入れながら。


「誰が許すか、この丁稚がぁっ! 調子に乗るなぁっ! このクソガキがぁっ!」と。


 吠えに、吠えたよ。


 いくら、このクソ馬鹿を蹴り回そうが。


 俺の怒りは収まりきれないからね。


「もう、やめて、和也ー! 私と牧田は本当に何にもなかった。大丈夫だから」と。


 沙紀の奴がまた俺の背中に抱きつき。


 牧田の奴とは何もなかった。


 だから大丈夫だと。


 こいつの悪癖……。


 沙紀の奴は、前の大学生の彼氏の時のように。


 牧田とは何もないと言い訳を始めだしたから。


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