第313話 会いたくない奴! (3)

「俺、帰るから離せよ」と呟きつつ。


「俺は、もう志乃。お前等と関わり合いになるのは嫌なんだよ」と。


 俺は悪の組織から逃げるヘタレ要員みたいなことを志乃に告げつつ。


 自身の手を振り払い始めると。


「友達に合コンのメンバーが足りないから誘われてね。薬研堀の居酒屋に行ったの、そこで合コンのメンバー達とお酒を飲みながら。和気藹々と会話をしていたら山口達が、自分達の兄貴文の人達と一緒に飲みにきたの。それで『相沢。お前、元気か?』、『志乃、お前生きていたのか?』とケラケラ揶揄しながら尋ねてきたから。少し話をしただけだよ。私も合コンのメンバー達がいたから。あいつ等も兄貴分の人もうち達には余り話しかけてこなかったよ。本当だから。和也、信じてよ。お願い」と。


 志乃の奴は言ってくるけれど。


 俺はこいつ、志乃のことを全く信用していない。


 こいつは俺のことを三度も裏切った、どうしようもないビッチ女だから。


「志乃、うそをつくなよ。どうせお前のことだ。山口君等と一緒にお酒を飲んで。その後とあの人等の兄貴分にお持ち帰りをされて、LI〇Eの番号とかを教えたりしたんだろう、ベッドの中で?」と告げ。


「頼むから真面目な俺を巻き込むなよなぁ。志乃……」と。


 俺があいつ、志乃のことを冷たい目をしながらケラケラと笑いながら尋ね、嘆願をすれば。


「そんな事はしていないよ。本当だって和也、信じてよ。お願いだから」


 志乃の奴は今にも泣きそうな顔をしながら、本職のお兄さん達と関係はないと告げてきた。


「じゃ、志乃、お前は? お酒に酔って、足元フラフラしながら。合コンのメンバー達に、お持ち帰りをされたのか、昔のように? そしておもちゃにされたか?」と。


 俺は志乃を嘲笑いしながら告げてやったよ。


 俺は過去のことを。


 こいつとの恋愛期間に起きた出来事を全部思い出しながら。


 嘲笑ってやったよ。



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