第312話 会いたくない奴! (2)
「……ん? ああ、それはね、和也。山口達から教えてもらったの。和也は二高へと通っているって……」
志乃の奴はクスクス笑いながら、俺に山口君達から通うっている高校を聞いたと告げ。
「和也、凄いね。二高に入学したんだ! 頭偉いね~」と。
俺のことを褒め称えてくれるのはいいのだが。
あいつ、志乃の奴が口にだした名前──。
山口君の名前を聞き、俺の顔色が変わると。
牧田の奴も顔色が変わり。
「山田」と声を。
『大丈夫なのか?』と言った顔をしたから。
俺は頷き、『大丈夫だ』と合図を送れば。
「志乃、お前。まだあの人達と付き合っているのか?」
俺は他人の目も気にしないで、猫のように纏わりつき甘える志乃に対して怪訝な表情で尋ねる。
「うぅん。付き合っていないよ。うちは……。和也だって、うちがあれから。気が触れたようになって、引き篭もりになり。精神科に入院した事ぐらいは、風の便りと言ぅ奴で。耳には入っているでしょう?」
志乃の奴は、急に俺の甘える動作をやめて訊ねてきた。
「う、うん」と俺は頷き。
「じゃ、志乃。お前は、何処で山口君達と会ったんだ?」
俺が志乃の話題──。
自身が入院していた話しを。
これ以上させないために話題を返ると
「ん? もしかして和也? うちが大人の女性になったから気になる?」
志乃の奴は妖艶に微笑みながら尋ねてきた。
でも俺は別に志乃に対して、好意がある訳じゃないから。
「うぅん。別にお前が山口君達と何処で会おうが、俺は別に気にならないから。志乃、お前が言いたくないのならば。俺に別に説明をしなくていいぞ……。じゃ、さようなら志乃」と告げ。
俺は再度、あいつの手を振り払い始める。
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