第336話 御姉様は、こう言うのに憧れあるみたい? (5)

 俺が自身の頬を少し赤く染めながら、にへらと笑いつつ、説明をすれば。


「ああ、あれね?」


 加奈は、何だ、あれか? と言った感じで納得する。


「えぇ~! あれって、和也の御機嫌窺いだったの?」


 沙紀の奴が、自身の両目を大きく開け、尋ねてくるから。


「ああ、そうだよ! 悪かったなぁ~!」と。


 俺はコイツだけはと思いつつ。


 やっと俺の気持ちを悟ることができたか!


 この大馬鹿者目がぁ! と思えば。


「私、和也が揶揄しながら、セクハラしているとばかり思っていたよ」と。


「それって和也、結構昔から私にしていたよね?」


 沙紀は苦笑いを浮かべつつ、俺へと尋ねてくるから。


「ああ、そうだよ」、


「沙紀、お前は、いつも俺に罵声を吐いていたけれどな」と。


 俺は沙紀に言葉を返すと。


「面目御座いません」と。


 沙紀はペコリ! と、俺に謝罪をしてきたから。


「今回だけだぞ」と。


 俺は苦笑浮かべながら沙紀へと告げれば。


「皆、良いよね、青春をしているから」と。


 志乃が苦笑いを浮かべながら俺達、学生連中を見渡しながら告げると。


「うち何か、病院を退院してふと気がつけば。高校を卒業する歳が近づいていたからね。慌てて中学や高校の卒業資格をとるので精一杯で。花の女学生やJK少女気分……。青春時代を堪能することもなく。もう直ぐ二十歳だよ。だからうちは本当に切なく、悲しい」と。


 志乃の奴は、自身の両手を瞼に当て──。


『エンエン』と泣くフリをしながら俺達へと告げてきた。


 でも、この場にいる者達……。


 あの、明るい、ムードメーカー的なところがある、牧田でさえ。流石に志乃の現実離れをした青春時代に対して。


 どう反応をしたらいいのか、わからない顔……。


 少し困った顔をしているから。


 俺がこの場に暗い雰囲気を変えるために。


「そうなんだ、志乃?」と、反応をすれば。


「うん」と志乃は頷き。



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