第335話 御姉様は、こう言うのに憧れあるみたい? (4)

「ああ、そんな感じだったな、お前等二人……。俺達も傍から見て、山田と新宮寺が本気で付き合っているようには見えなかったからな」


「そうんなだ、牧田?」


「うん」


「う~ん、そんな感じに見えていたんだな、俺と沙紀は……」と。


 牧田の頷きを見て、俺が独り言のように呟けば。


「あら、和也しては珍しいじゃない。純情なお付き合いなんてぇ~」


 ケラケラと志乃が笑いながら、俺を揶揄するように告げるから。


「あのなぁ~、俺も一応は高校生だぞ! 純情な付き合いや彼女を大事にしたいと清く思うこともあるんじゃけぇ、の~」


 俺がにへらと笑いつつ志乃へと不満を漏らせば。


「私和也に優しくしてもらっていない」と。


 加奈が俺へと不満を告げてきた。


「俺、加奈に優しくないか?」


 俺に不満を告げてくる加奈へと首を傾げると。


「うん」と頷くから。


「そうかなぁ~、俺は加奈には優しいと思うぞ?」


「何で、そう思うの、和也?」


 自身の首を傾げる俺に、加奈が尋ねてくるから。


「だって俺、加奈に四回か? 五回は? 頬を殴られているけれど。『痛いなぁ!』とか、『加奈! いい加減にろぉ!』で、終わっているじゃないか」と。


 俺は加奈に説明し。


「……それどころか? 時間が経ったら。俺が加奈の御機嫌取りをしていると思うぞ?」


「えぇ、そうだっけ?」


 加奈の奴がおもいっきりボケをかましてくるから。


「俺はいつも怒っているお前の機嫌とりをしていると思うけれど?」


 俺が加奈に説明をすれば。


「どんな?」


 今度は俺ではなく、加奈が首を傾げるから。


「どんなってあれだ! あれだよ! 俺が加奈の手を握って歩きながら。お手手繋いで幸せとか? あっ、あれ! あれだよ! あれ! 加奈の頬や唇にチュ! したりとか。加奈の胸を揉んだり! お尻触ったりしているじゃないか!」と。




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