第14話 今度は俺が元カノから告白を受けた日の話を聞いて欲しい(4)

 俺は自身の目の前で真っ赤な顔で照れ恥ずかしそうに振る舞う、沙紀……。


 そう、自身の指先や身体をモジモジと落ち着きなく動かしている元カノさまへと俺はバカだから。


 自身の頭の上、後頭部へと己の掌を当て──。


 笑って誤魔化しながらビッチでセフレな元カノ沙紀へと説明をした黒歴史の記憶がある。


 また、こんな隙だらけの俺だから、沙紀に対してね。


 自分自身からあっさりと、アイツに好意があると曝け出す失態をするものだから。


 沙紀の奴は直ぐに俺の様子を窺い、ちょろくて簡単、口説きやすい男とだと認識をしたのではないかと思う。


 多分あの時の沙紀の奴はね。


 アイツは基本小悪魔で、ビッチなJK 少女だから。


 まあ、そんな様子の沙紀だから、アイツの大袈裟過ぎるぐらいのブリッ娘ぶり。


 猫かぶりの方はこの後も、更にエスカレートしていった。


「あのね。あのね。山田君?」


「……ん? 何かな、真宮寺さん?」


「私ね。山田君と一緒でね、入学式の時に山田君の顔、容姿を一目見てね。直ぐに……」


 ここで沙紀の奴は、よくある恋愛、ラブコメなどのシネマやドラマ、アニメ、マンガ、ライトノベルのヒロインさま達のようにテンプレ仕様……。


 まあ、お約束ごとのような仕草、物言い。


 そう、傍から俺達二人の様子を誰が見て確認してもわかる、単純な焦らしをね。


 自身の両手の指先と、身体の方のモジモジを更に可愛くしながら俺へと。


 アイツは、乙女の純情を気取り、装いながら告げてきた。


 だから俺はと言うか? あの時の俺は、まだ高校一年生……。


 それもピカピカの新入生だったから。


 あの馬鹿! ビッチ! セフレの罠!


 まあ、誘いと言う名の計略に安易にかかり堕ちてね。


 自身の脳裏で。


(きた、きた、きたぞ! これは! この場面は! 新宮寺さんが、この俺に告白……。アイラブユーと言ってくれるに違いない)と思いつつ。


 ワクワク、ドキドキ……。


 まあ、させていたぐらいだから。


 あの時の俺はかなりテンションを上げ! 興奮!


 自身の胸を躍らせ、高鳴りさせていた記憶があるけれど。


 あの頃の俺はニヒルを気取っていたから、平素を装いつつ。


「……ん? 真宮寺さん。俺の事を一目見て直ぐにが、どうしたんだい?」と。


 この後沙紀の奴が俺に何を告げようとしているのかわかっている癖にね。


 俺はしらじらしく、素知らぬ振りをしながら沙紀の羞恥心を煽るように問いかけた。


「あ、あのね。山田君……」


 沙紀の奴は、モジモジちゃんをしながら可愛く、上目遣いで、俺を呼べば。


「私ね、入学式の日からあなたのことが好きで仕方がなくて、気になっていたのだけれど……。山田君カッコ良いからもう既に彼女さんがいるだろうなぁ? と、私思っていたから。私、山田君に自分自身の想いを告げることができないでモヤモヤとしていたの。でも今日山田君と一緒に、ランチを食べた後に。蘭に山田君のことを尋ねたら。彼女さんが今いなくて恋人募集中だと聞いたの。だから。あの、あのね。山田君。わ、私でよければお付き合いをしてもらえないかな?」


 沙紀の奴は自身の顔を真っ赤……だけではなくてね。


 アイツは今にも泣き出しそうなぐらい一生懸命に、俺へと告げてくれた。


 その時の沙紀の様子は、俺を騙すとか、もてあそぶつもりでいる。


 小悪魔仕様ではなく。


 この俺の事が本当にLOVEで! アイラブユー!


 貴方のことを愛しているわと。


 沙紀の奴が口に出さなくても。


 俺自身が感じられるほど沙紀の奴は、真剣な眼差しで告白してくれた。


 だからあの時の沙紀は、本当に可愛く、麗しく、乙女だった。


 俺の宝物でいた頃の沙紀の奴はね。


 だから俺も沙紀の言葉に対して、直ぐに反応を示し口を開いた。


「俺は新宮寺さんのことを一目見た時から気に入りました」、


「一目惚れをしました」、


「だから新宮寺さん……」、


「こちらこそよろしくおねがいします」


 俺自身も沙紀ではないけれど。


 自身の頭を深々とさげながら沙紀の愛の告白を了承したと告げた記憶がある。


 なのに「…………」だよ。


 沙紀の奴は何故?


 二年間も付き合った俺──。


 将来結婚をするとまで誓い合ってい俺のことをアイツは……。


 こんなにも簡単にフリ、捨てることができたのだ?


 それもさ、みんなも聞いてくれよ。


 沙紀の好きな男性ひと──。


 そう、この俺さまよりも大好きな彼が、あんな遊び人の男……。


 まあ、傍からあの男を見ても、俺なんかよりも、遊び馴れしている大学生の、車持ちの男のことが好きになったから。


『和也ごめん、私好きな人ができたから別れてください』と。


 沙紀の奴は告白してきた訳ではなく。


 アイツ! 沙紀の奴は!


 俺に嘘をつき、騙しながら、別れ話しを持ちかけてきた。


 だから余計にアイツ! 沙紀の奴に対して俺は、歯痒くて仕方ないのだ。


 まあ、確かに俺も、愛する沙紀からの別れ話しを聞けば。


 最初は俺自身も気が動転、困惑すると思うから。


『何故だ! 何故だ! 何故沙紀は俺と別れると言うのだよ!』と。


 俺自身も動揺をしているから荒々しく尋ねるかも知れないが。


 俺自身の気が落ち着きけば。


『沙紀! 新しい彼氏と幸せになるんだぞ!』と。


 沙紀の奴に俺は祝福のエール送りつつ別れ……。


 アイツの背中を『ポン!』と優しく押すことだってできる。


 そう俺は、自身の両手を大きく振りながら元カノの新たな彼氏との門出を祝うことだってできる。


 まあ、俺自身、辛くて仕方がなく、悲しいけれど。


 これもいつかは、時間が解決してくれることだから。


 俺自身、沙紀との別れ! 悲しみを! 耐え忍ぶことだってできる。


 なのにアイツ!


 沙紀の奴は!


 元彼だった俺にうその台詞を告げ。


 俺を騙し、強引に別れ。


 俺の許から立ち去り、逃げていった。


 だからアイツは!


 沙紀の奴は!


 ビッチ!


 セフレなJKの少女だからね! と。


 俺が最後に愚痴や不満、嘆きを漏らしたところで。


 次の話しは!


 俺と元カノ沙紀との別れ話になるまでの経由を愚痴として漏らすから。


 みんなには聞いて欲しい。


 そして慰めて欲しいな? と思う。


 まあ、俺だからね。


 みなさん、よろしくお願いします。



 ◇◇◇



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