第15話 高校生活最後の学年の始まりなのに何故か彼女の様子が可笑しい? (1)

「おおっ! 今年は一緒だ! 一緒だな、沙紀! 高校生活最後の学年、三年生で沙紀、お前と同じクラスで最後の学園生活、青春時代が送れるなんて俺は嬉しいぞ! 沙紀! お互いよかった。よかったな」と。


 俺は阿保だから歓喜する。


 この後、恐怖の死刑執行判決を沙紀の奴からくだされとも知らず。


 この時の俺は、二年間待ちに待った出来事!


 俺と沙紀に、神さまからの祝福、エールがくだされたと。


 俺は思っていたからね、なりふり構わず歓喜をした。


 でもあの時の俺は、最初の喜びだけでは満足できず、更に自身の口を開け。


「沙紀、お前も言っていたもんなぁ、去年の今頃。二年生の始業式前のクラスの割り当て票を見て、お前が確認した時に。何で仲の良いカップル同士の俺達が、同じクラスになれないの。だから神さまの意地悪! 人でなし! ろくでなし! 神さま自身も私達が余りにも仲が良いカップル同士だから。きっとやきもちを焼いたんだなと不満や愚痴、嘆いていたから。今年は神さまが沙紀、お前に気を遣ってくれて願いを叶えてくれたんだろうと。俺は思うぞ? だから本当によかったな、沙紀! 俺は嬉しい! そして幸せだ!」と。


 俺は歓喜! 感動をした!


 この後俺に最悪! 悲惨な出来事が起きるとも知らずに。


 俺はバカだから周りの目など気にすることもなく。


 と、言うよりも?


 あの頃の俺達二人は、学園中の生徒達公認のLOVEな、馬鹿カップルだったからね。


「おっ! 山田と新宮寺は、今年は同じクラスじゃないか!」


「えっ! 本当に?」


「ほら、A組のクラス割り当て票を見てみろ。二人の名前が記載されているから」


「あっ! 本当だ! 山田と沙紀の二人の苗字と名前が記載されている」


「どれどれ?」


「何処?」


「あっ! 本当だ! A組に二人の苗字と名前があるな」


「じゃ、A組になった者達は毎日あの二人。山田と沙紀のラブラブなシーンを見らされ続ける事になるのね。本当にお可哀そうに……」


「ああ、お気の毒」


「惨い、惨い」と。


 俺と沙紀の恋愛はプラトニックなラブラブな関係だったから。


 後……と、言うか?


 アイツに捨てられた後に俺がフムフムと考える人になりつつ思案をしてみると。


 この時に、同じ学年の奴等に、俺達二人は、こんなにも冷やかしを受け、揶揄されるほど仲が良かった訳ではないと思う。


 でも、この時の俺は、この後悲惨な目に遭うとも知らない。


 もう~、本当に~、和君は~、お馬鹿さん、なのだから~、仕様の俺だからね。


「お前達いい加減にしろよ~。俺と沙紀はプラトニックな恋愛だから。俺達二人は他人の気に触るようなことなどしていなし。不快感も与えていなはず! 誰にも迷惑などかけていないはずだから! 俺達二人のことを揶揄するな~! お前らいい加減にしろよ~!」


 俺は口では呆れた声音で、周りの者達へと不満を漏らす。


 でも俺の容姿は、言葉とは裏腹……。


 自身の顔の方はニヤケ、緩んだ顔をしながら。


 俺は周りの者達へと不満を漏らすから。


「うん」


「確かに」


「そうよね」と。


「それでもさ」


「やっぱりさ」


「山田と新宮寺の二人が並んで歩くとなぁ」


「何か目につくと言うか? 目立つからついついと目が行っちゃうよね」


「うん、確かに」


「まあ、家の学園のトップレベルの美男美女カップルだからね。二人は。ついついと目がいっちゃうよ」


「うん、確かに。それはあるよね。山田君も沙紀も一人で歩いていても目に付き、惹くけどさ。二人で並んで笑いながら和気藹々と歩く姿は本当に絵になるもね」


「うん、うん。確かに」と。


 俺の脳内にニヤケ顔──。


 でも表面は呆れ顔の不満を俺が、周りの奴等へとブツブツと呟いてもこの通りでね。


 みなは、俺達二人が、仲がいいと首肯しつつ褒め称えてくれた。


 あの時! 俺が沙紀に! こっぴどく振られる日の午前中……。


 学校にきたばかりはね。


 まあ、そんな同学年の奴等に俺は、更に心の中で。


(俺と沙紀が、仲がいいのは当たり前だろう)と思いつつ。


「お前達なぁ~」と。


 俺は後で沙紀にこっぴどくフラれるとも知らずに。


 また呆れ声で同級生達へと呟く。


 そんな俺にまた同級生達も。


 俺が午後に沙紀にフラれるとは知らないから。


「でも山田、嬉しいだろう?」


「今年は新宮寺と同じクラスだから」


「羨ましいな、お前」


「ああ、いいな、山田君と沙紀は」


「俺も彼女と同じクラスが良かったよ」


「ああ、それを言うならば、私も彼氏と同じクラスがよかったな」


「う~ん、何で先生達は? 高校生活最後の年に狙ったかのように俺と彼女との仲を引き裂くかのようにクラスを分けるのだよ。クソだ! 歯がゆいな!」と。


 同級生達の会話の最後には。


 俺の高校の友人の一人である直人の奴が。


 自身の彼女と一年生と二年生は同じクラスでラブラブ、和気藹々とした学園生活を送る事ができたのに。


 今年は彼女と同じクラスの、ラブラブ学園生活がエンジョイできないからと。


 直人の奴は更に、「ああ……」と嘆き始めだした記憶がある。


 俺はそんな直人に対して。


「まあ、あれだ、直人? 今年はいいじゃないか……。つい数週間前までは、お前は彼女と同じクラスで毎日の学園生活をラブラブでエンジョイできたのだから」と告げ。


「直人! 俺なんて! 今年! そう、やっと最後の年で、沙紀と同じクラスになれただけで。後の二年間は別のクラスだったんだぞ!」と。


 俺は直人にプンプン! と告げる。


 今年ぐらい……と、言うか?


 最後の一年ぐらいは我慢をしろとね。


 俺は直人に諫めるように告げたけれど。


 今の俺は、沙紀とは三年間別のクラスの方がよかったと後悔しては。


 毎日家に帰ると嘆き!


 その後は、あのビッチ! セフレ女に対し憎悪を募らせているよ!


 あいつを大事! 過保護にするんじゃなかった!


 もう、それこそ?


 中坊の頃の俺……。


 チャラ男のヤンキー男子で良かったと後悔しながら枕を濡らす日々が続いていると。


 俺がまた嘆いたところで話しを戻すけれど。


 直人の奴は俺から、説教を聞けば。


「まあ、和也の言う通りなのだけれど。それでもさ、やっぱり、高校生活最後の年で彼女と同じクラスになれる方が何だか、運命を感じると言うか? アニメやマンガ、ラノベ、恋愛シュミレーションゲームの最後の方のイベントみたいで良いじゃないか? 和也もそう思わないか?」と。


 直人は俺に話しをフルから。


「う~ん、そうだな?」


 俺は考える人になり、直人へと言葉を返せば。


「だろう、かずや?」と直人はケラケラ笑いつつ俺に言葉を返すと。


「その後、彼女とハッピーエンド……。二人は同じ大学へと通い。色々な困難が二人に厄災として降りかかるのだけれど。愛し合う二人は、そんな困難にも立ち向かいながら、お互いが愛し合い。協力し合いながら更に愛を育み、育てながら無事大学を卒業……。でッ、その後お互いが就職につけば直ぐに挙式を挙げ。そして二人は皆に祝福をされるのだと言った感じが良いと思わないか、和也?」


「ウム、そうだな……」


「だから俺としては、三年生で彼女と同じクラスになれる方がイベントぽくて、良いから。和也は本当に良いよな、新宮寺と華の高校生活最後の三年生で一緒のクラスになれたのだから」と。



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