第16話 高校生活最後の学年の始まりなのに何故か彼女の様子が可笑しい? (2)

 俺の親友の直人が高校生活最後の年で沙紀と同じクラスになれたことを心から祝福してくれた。


 直人自身は、彼女と同じクラスになれなかったことで。


「ああ~」と嘆いてばかりだった記憶があるから。


 その時の俺は、直人が肩を落とし嘆く様子を見詰めつつ。


(う~ん、直人の奴は本当に可哀そうな奴だな。一年生と二年生の間は、自分の彼女と同じクラスになれたのに。高校生活最後の年に俺とは逆で彼女と別のクラスになってしまったから本当に、不幸で可哀そうな奴だ)と。


 俺はバカで! 阿保で! のろまな亀だから!


 この後自分自身に、地獄のような出来事が訪れるとも知らずに。


 俺は自身の腕を組みつつ、首肯しながら思っていると。


「和也、良かったな」


「山田、新宮寺と同じクラスになれて本当によかったな」


「嬉しいだろう、和也?」と。


 更に俺と沙紀のこれから始まるの、同じクラスでの学園ライフをエンジョイできることへの祝いの言葉……。


 エールと言う奴が更に俺の耳へと聞こえてきた記憶がある。


 だからあの時の俺は、幸せ感でお腹一杯だったから。


 更に自身の顔の方も緩んでいたと思う?


 その日の午後に、俺への不幸……。


 そう、この世の終わり、終焉……。


 俺がもう二度と学校へはいきたくないと本気で思い。


 本当に死にたいとも思った出来事……。


 俺の身に不幸が忍び寄ってきているとも知らずに。


 あの時の俺は、本当にこの世界──!


 日本! 広島県! 広島市の街の中で、俺は神に選ばれた一番の幸せ者だと本気に思っていた。


 でもね、俺の真横で仲良く立ち並んでいるはずの沙紀なのだが。


 あの時のアイツは本当に俺の真横にいるのか? と思うほど。


 そう、沙紀の奴は、みなからエールをもらいはしゃぎ、有頂天になっている俺とは違い。


 アイツは無反応! 無表情!


 もうそれこそ?


 俺のあの時の記憶を手繰り寄せても、沙紀の奴は放心状態……。


 奴は開いた口が塞がらないと言った状態へと陥っているから。


 俺は沙紀へと。


「おい! 沙紀! どうした!?」と。


 アイツの華奢な肩に両手を当て──。


 俺は軽く揺すった記憶がある



 ◇◇◇



『おい! 沙紀! どうした!?』と。


 アイツの華奢な肩に手を当てつつ、揺らし、声をかける俺──。


 そう、前回の話しの続きになるのだが。


 アイツ、沙紀の奴は何故か?


 歓喜している俺の真横で、三年生のクラス分け表を凝視しながら唖然、呆然としているから。


 沙紀のまだ彼氏だって俺は心配になり、アイツに声をかけ尋ねた。


 するとアイツの顔は急に真っ赤に染まり、カッ! と両目を大きく開け──。


 アイツの真横に立ち並ぶ俺の方へと自身の身体を向きを変えると。


「うぅ、うううっ」と呻りつつ、自身の身体をワナワナと震えさせながら。


 俺を睨みつけてきた。


 だから俺も流石に、沙紀の変貌振りが気になり。


(沙紀の奴は一体どうしたんだ?)と思いつつ。


 俺は沙紀のことを、にへらと笑いながら。


「おい、沙紀どうしたんだ? 風邪でも引いて体調が悪いのか? それともあの日なのか?」


 俺は不機嫌極まりない顔をしている沙紀へと。


 自身の首を傾げながら尋ねる。


 それも沙紀の可愛いおでこへと俺は、いつもの調子で。


 自身の掌を当てながら。


「う~ん、別に熱はないようだけれど。本当に沙紀。お前はどうしたんだ?」と。


 俺は更に困惑しながら沙紀へと尋ねた記憶があるよ。


 俺の大事なお姫さまが呻りながら。


 俺のことを睨んでくる訳だからね。


「あっ、ははは」と。


 俺は笑い誤魔化しつつ、できるだけ沙紀の奴と、目を合わせないようにしていた記憶がある。


 そんな俺にアイツは!


 パチンだ!


 そう、自身の華奢な掌で、俺の手──。


 アイツの可愛いお何処に当てている俺の手を。


 沙紀の奴は力強くパチン! と叩き! 叩けば!


 アイツは俺の顔を冷淡な目で見詰めてくる。


 それも沙紀の麗しい顔の表情は。


 そう、まるで?


 何かしら大変に気持ちの悪い物! 汚物でも見るような冷たい表情で、アイツは───。


 嘔吐するぐらい気持ち悪い汚物を排除するように。


 俺の綺麗な手を叩き、排除してきた記憶がある。


 まだ俺は沙紀の彼氏だったはずなのに。



(お願い)


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