第435話 文武両道ならばこれでしょう? (7)

「うん、そうだよ。沙紀ちゃん」と志乃は頷き言葉を返せば。自身と犬猿の仲である絵美の方へとチラリと視線を変え。


「ねぇ、絵美~。そうだよね~? 和也、足が速くてスポーツならば何でも器用良く出来たわよね?」と尋ねる。


「……ん? ああ、和也はね」


 志乃の問いかけに対して絵美は頷くと。


「沙紀ちゃん、和也は足が速いだけでなく、サッカーやバレーボール、野球も得意で、私達の地元はバレーボールが盛んだから小学生の時はバレー部に入っていたし。サッカーのリフティングもサッカーしている子達よりも上手だったしね。それに野球の方は和也、中学校の時に区の大会で決勝迄いったよ」と。


 絵美は自身に注目する沙紀と蘭、翔子へと最初は淡々と説明する。でも後半、俺が以前みなにも説明したと思うけれど。リーゼント頭から坊主頭へと変身、真面目な容姿へと変貌して、野球部に戻り。区の大会でいいところまでいった時のことを絵美は思い出したのか? 大変に嬉しそう。そして誇らしげに志乃も含めた四人へと告げた。


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