第152話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (5)

「蘭! 俺は別に、学校の授業中に加奈と変な事などしていなし。する訳ないだろう。ここは学校だぞ。普通に考えてもわかることだろう」と。


 相変わらず自身の頬を可愛く膨らませながら。


『プンプン』と不満を漏らしてきた蘭へと俺は。


 とにかく言い訳を多々した。


 それも自身の顔色を青白く変えつつ。


 冷や汗を自身の額と頬……。


 そして背からタラタラと垂らしつつ。


 蘭へと言い訳を繰り返した。


 でも最後には加奈の口から。


 こんな言葉がポン! と吐かれたのだ。


「でも和也は、私が甘える度に。思春期で多感な時期の青少年らしく。自身の身体を熱く、激しく、火照らしたのよ、ねぇ?」と。


「ふっ、ふふふ」と加奈が妖艶に俺へと微笑みかけながら訊ねてきて。


 蘭を刺激するから。


「はぁ~、そうなの和也?」と。


 蘭が俺に対して怪訝な表情で呻るように訊ねてくるから。


「えっ! いや、あの、俺は……」と。


 俺は何故か蘭に対して、オドオドとした様子……。


 そう、蛇に睨まれた蛙のように。


 自身の身体中から蝦蟇の油のような冷や汗を垂らしつつ、動揺をしながら言葉を漏らせば。


「和也ー! あんたー! いつものように山本さんからムラムラさせられて。あんたの火照った身体って、どうやって冷やし、沈めている訳? まさか、和也。あんた、山本さんと?」と。


 蘭は更に俺へと怪訝な表情で呻りながら訊ねてくるから。


「蘭、お前ー! 今ホームルーム中だぞ。頼むからそんな事を俺に訊ねてくるなよ~。お願いだから~。頼むよ~」と。


 俺は本当に今にも泣きそうな顔で蘭へと嘆願をし、終えるとね。


 今度は、俺の斜め後ろにいる加奈へと。


「加奈ー! お前も今、こんな時に。訳の解らない事を皆に言うなよ~。頼むから~。お願いだよ~」と。


 俺は加奈に対して最初は荒々しく告げ。


 その後はやはり加奈に対しても俺は、大変にしまらなく、情けない顔をしながら。


 これ以上卑猥な話し。


 官能的な話題を。


 只今授業中……と、言っても。


 ホームルームの時間だけれど。


 それでも周りの目があるから辞めて欲しいと嘆願をする。


(お願い)


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