第153話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (6)
「えっ! 何で今話しをしたらいけない訳?」
でも直ぐにこの通りだよ。
加奈は怪訝な表情で俺へと不満を漏らしてくる。
相変わらず自身の華奢な指先で。
俺の背をツンツンと突きながら不満を漏らしてくる。
でも、皆も知っての通りで。
只今俺達は、午前のホームルームの最中であり、授業中と何ら変わらない状態なのだ。
だから担任の先生はちゃんと教壇に立っている訳だから。
学園の校則違反にも相当する不純異性交遊の話しをしたら。
今は俺も駄目だろうと思うから。
加奈に対して話しはするなと告げた。
でも加奈は、俺の諫めを聞くと。
あいつは大変に不満のある顔を始めだしたから。
「加奈、そう言った話しは俺と二人きりの時か、L〇NEでしようなぁ。先生達にもばれないし。誰にも俺達の会話を聞かれる事はないから。そうしようなぁ」と。
俺が「あっ、はははっ」と笑い誤魔化しながら加奈へと告げると。
「和也~」と。
今度は俺の斜め前から大変に不機嫌極まりない声音で。
俺を呻るように呼ぶ声が聞こえてくるから。
「えっ! な、何、蘭?」と。
俺は慌てて加奈から蘭へと視線を変え。
あいつの御機嫌窺いをするかのように満身の笑みを浮かべながらニヤリと微笑み訊ねると。
「和也、キモイ」と。
先ずは蘭に罵られ。
その後は、「和也~? うちに聞かれた不味いようなことを山本さんとちょくちょくしている訳なの? あんたの火照った身体の熱を冷ますために?」と。
蘭の奴は大変に鋭い目で俺を睨みながら。
あいつは、今にも俺に噛みつきそうな勢いで訊ねてくる。
だから俺は、自身の顔を引き攣らせ、笑い誤魔化しながら。
「い、いや。俺は別に蘭。お前に聞かれたら不味い事を加奈とはしていないから。本当だから」と。
蘭へと告げる。
でも蘭の奴は、俺の言い訳に対して、聞く耳など持つ気もなく。
「嘘! 二人とも! 私達に聞かれた不味いこと……。他人は言えられない。隠さないといけないようことをしているのでしょう?」
蘭の奴は、大変に猜疑心のある冷たい目で、俺と加奈を交互に見詰めながら訊ねてくる。
でも俺は蘭に対して隠している事などないと思う?
と、言うか。
あるかな? と思うから。
あいつ、蘭の目を見て真面に喋れない。
そう、自身の眼を泳がせ挙動不審者みたいな反応を示し。
(さて、俺は蘭に対して、何て説明をすればいいのだろう?)と思案を始めると。
(お願い)
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