第154話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (7)
〈チク!〉だ。
〈チクリ〉と、俺の膝に痛みが走るから。
(な、何だ? この痛みは?)と。
俺は思いつつ、自身の膝に、何かしらで刺し、突かれたような痛みが走るから。
自身の膝を確認してみると。
俺の斜め前の加奈が、自身の机に置いてあった。
あいつ専用の武器……ではないよね。
(汗! 汗!)
そう、あいつは自身専用のシャープペンシルで、俺の膝をね。
『ブス! ブス!』と嫉妬に狂った顔で。
安珍と清姫の、蛇女みたいな恐ろしい顔で。
俺の膝を斜め前からシャープペンシルで刺してくるから。
「蘭、頼むから辞めてくれ……。お願いだ……。俺はお前に対して隠さないようなことは何もしていない。俺が以前、お前に説明をした通りだよ。蘭……」と。
俺が蘭の奴へと大変に困った顔で説明をすれば。
「嘘よ、和也! 絶対に嘘! だって和也は、先ほどから、うちの問いかけに対して、どのように誤魔化してやろうかと、自身の眼を泳がせ、うちと目をあわせないようにしながら思案……。悩んでいるじゃない……。だから嘘よ、絶対に……」とね。
「クソ! クソ! 歯痒い! 歯痒い!」と。
蘭の奴は、俺と加奈の関係に対して、嫉妬に狂った顔で睨みながら。
俺の膝めがけて、相変わらずシャープペンシルを短剣の如く使用し、呪いの言葉を詠唱しながら刺してくる。
だから俺はあいつに。
『あのなぁ、蘭?』と話しかけようとすれば。
「大田さんも和也としているのでしょう? 私と同じようなことを?」
加奈の奴が蘭へと意味深なことを訊ね始めるから。
「か、加奈? 蘭に頼むから可笑しな事を訊ねないでくれよ。お願いだから」と。
俺は慌てふためきながら加奈へと。
これ以上可笑しな事を訊ねないでくれと。
自身の顔や背から。
冷や汗をタラタラと垂らし、流しながら。
まあ、あいつの事を諫めるように告げ、嘆願したよ。
(お願い)
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