第102話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (1)
「(よーし! 今日のお昼は何にするかな?)」
俺は学園内にある食堂の商品受け取り口の上に張られたメニューを見詰め。
「う~ん、う~ん」と唸り、考える人になりながら。
今日の午後の授業を乗り切る為のスタミナをつけるべく学食のメニューを優柔不断に。
「(あれもいいし。これもいいな)」と脳裏で呟いていると。
「きゃ、きゃ、山田先輩よ~」
「いや~ん、山田先輩だ~」
「あの、山田先輩~?」
「山田先輩は今日のお昼?」
「今日のランチは何にされるのですか?」と。
俺に気がついた同級生や後輩達……。
そう、俺のファンだと思われる同級生や後輩達が次から次へと黄色い声色で俺に呼びかけ、訊ねてくる。
「山田君?」
「山田先輩?」
「先輩、今日のお昼は何を食べるの?」と。
彼女達はJKの少女らしく、可愛く微笑みながら小首を傾げ、俺へと訊ねてくる。
「……ん? 俺も今日は何がいいかな? と思いながら思案をしているのだけれど。皆はもう、今日のお昼は決まったのかな?」
俺も彼女達に負けないようにと、新宮寺に捨てられてから備わった。俺の武器? になっている。自身の歯をキラリと輝かせ、笑みを浮かべる。イケメンスマイルをしながら。
彼女達へとキラキラと問えば。
『いや~ん、ばか~』ではないが?
彼女達は自身の顔色を桜色に染め、照れ恥ずかしそうにし、自身の身体をクネクネ、モジモジとさせながら。
「山田君~、私はもう決まったよ~」
「うちも決まった~」
「私も決まっています~」
「私は山田先輩と同じ物にしようかな~?」
「私はもう食べましたが。山田先輩の顔を今日も見たくて待っていました」
「ああ、私も、私も、です」
「山田先輩、うちも」と。
まあ、こんな感じなのだよ。俺が新宮寺に捨てられた日から学園の食堂にくると。
(お願い)
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