第101話 (第3ルート完)第2章 序章(5)
俺は新宮寺の件はどうでもよいが蘭と一緒で加奈も俺は手放したくない。
いくら他人から『山田、気が多いと違うん?』と後ろ指さされ、罵られようがお構いなしに。蘭と加奈が俺へだした提案に甘えているから。
加奈の御機嫌取りもしないといけないから。俺の足をキィーとやはり真っ赤な顔でお猿さんになりながら上履きの踵でグリグリと踏む加奈に。
「ご、ごめんね、加奈、許してお願い。俺の足が痛いからこれ以上踏まないでお願い。俺の部屋にオオクワガタをとりにきていいからゆるしてください」と。
俺は蘭に首を振りつつ、加奈に小声……。
そう、周りのクラスメイト達に聞こえない。悟られないようにしながら小声で、俺の部屋へと加奈を誘えば、すぐにこいつは俺の足を踵で踏む行為を止めて、機嫌がよくなってくれたからよかったのと。
蘭からはこの後……と、言っても授業中だけれど。あいつの不満が長文で書かれたL〇NEメールがきたので、俺はとにかくあいつに誤魔化し、機嫌取りをして近々二人だけでカラオケボックスへと言って熱演すると言ったデートで許しを終えた。
……ん? 新宮寺?
ああ、アイツは以前自分が元々彼の俺へとしたL〇NEの着信拒否を慌てて解除し。俺と蘭と加奈との関係をやたらとしつこく、泣きマークを入れながら。俺の同情心を買おうと可愛くメール文で問いかけてきたが。
俺は新宮寺の奴へと文面できっぱりと。
「(俺と蘭と加奈との関係は、新宮寺には関係ない事だ!)」と記載をして、面倒だけれど。メール文を送ってやった。
それでもアイツ、新宮寺の奴はしっこく「(和也、和也。蘭とはどんな関係?)」、「(和也もしかして? 山本さんとも深い関係なの?)」とL〇NE で訊ねてきたから。
「(新宮寺、お前いい加減にしろ! これ以上俺と蘭と加奈との関係を訊ねてくるならば。今度は俺が新宮寺に対して着信拒否にするぞ! それでもいいのか?)」と訊ねると。
「(和也ごめんなさい)」と泣きマークがL〇NEで返ってくる日々が春の大型連休後も続いているよ。
◇◇◇
(お願い)
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