第332話 御姉様は、こう言うのに憧れあるみたい? (1)
「何かいいよね、こう言うの?」と。
マックの二階で志乃が嬉しそうに呟けば。
「特にさ、今のうちの周りって、皆が学生服だから。うち何だか、JKしているみたい」と。
志乃の奴がキャピキャピと嬉しそうに呟くから。
「へぇ~。そうなのか?」
俺が気だるげに志乃へと言葉を返すと。
「和也、お腹空いた、ん?」と。
志乃が首を傾げ、俺に尋ねようとしたから。
『俺は別に腹なんか空いてねぇ!』
俺が志乃の罵声を吐こうとしたら。
「和也、お腹空ちょぉるんなら、下へと行って、好きなもん、頼んできて、えぇから、うちが奢ってあげるけぇ」と。
志乃の奴は、また昔のように姉さん女房気取りで、俺に告げてくるから。
「別に腹何か空いてねぇけぇ」と。
俺が不貞腐れた様子で、言葉を返せば。
あいつ、志乃奴は、やはり中坊の頃のように。
「そうなん、和也?」、
「でも和也は、育ち盛りの学生じゃけぇ、うちに遠慮せんと頼んでも。えぇんじゃけぇ」と。
イライラしている俺を、子供をあやすように気遣いながら告げてくる。
だから俺は志乃に「ほんまに大丈夫じゃけぇ。俺は、腹は空ぃとらんけぇ」と苦笑いを浮かべつつ告げると。
「あっ! 和也!」
「ん? 何だ、志乃?」
「和也のお口の周りにシェイクがついちょぉるよ。ほら、ほら。うちが拭いちゃるけぇ。来てみんさぃ」
志乃はニコニコと微笑みつ、俺へと告げながら、自身の持つハンカチで俺の顔をフキフキするから。
この場は急にシーン!
みなは、「…………」となり。
俺と志乃だけの世界が出来上がる。
でも、少し間が開けば。
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