第303話 今日もみんなで仲良く(6)

「えっ! うそ! 何処でおぅたん、ッて? 慌てて食いついてきよったけぇ、新天地で溜まちょぉる時に、おぅたけぇと。隅田に言ぅたら、悲しい顔をしたけぇ。和也なら二高で! と、教えてやったけぇ」


「マジか?」


「うん」


「お前、優しいの」


「じゃろぅ? じゃけぇ、儂、女にモテるけぇ」と。


 そいつが、自身の胸を張りつつ、えっへん! と告げれば。


「まあ、のぅ」


「確かに」


「俺も見習わんにゃぁいけんの」


 と、鮒を含め。


 その後も、文太達も。


 友達の輪ではないが。


 文太達もふと気がつけば一時間以上も鮒達や後輩達と。


 ケラケラと笑いながら会話──。


 でッ、最後には。


「儂等今から車と単車で八丁出るけど。お前等もついてくるか? 俺等の車に乗っしゃるけぇ」と。


 ドライブのお誘いを受けるぐらい仲良くなったし。


 クソ生意気な後輩達もあの日を境に単車とかですれ違いざまに会えば。


 わざわざ単車、派手な中型スクーターを停めて。


「先輩、こんにちは~!」


「先輩、こんばんわ~!」と。


 ヤンキーの定番である、後輩は先輩を立て、敬う、をおこなうようになったと喜んでいたよ。


 だから牧田が『山田~、仲良くしようぜ~。マジで~』と言った感じになり。


 俺達と一緒に帰宅の途につくようになった訳でね。


 まあ、牧田とはお互い気を許し、離すようになれば。


 あいつも俺と一緒で、口がよく回る奴だから。


 沙紀や蘭、翔子に幸……。


 加奈はよくわからないけれど。


 あいつらも嫌だ! 嫌だ! と言うわりには。


 牧田の話しを聞いては、俺と一緒でゲラゲラ笑っているよ。


 まあ、そんな帰宅の最中に俺はある物を見つけ歓喜するのだった。



 ◇◇◇

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る