第304話 おっ! これは? (1)

「……ん? あっ! マジ?」


 俺がある物を見て、立ち止まり。


 自身の両目を開け、驚きを隠せない顔をすれば。


「ど、どうした、山田?」と。


 牧田の奴も慌てて立ち停まり。


 俺に声をかけてくるから。


 牧田に続いて彼女達も。


「和也、どうかしたの?」


「何か遭った和也?」


 沙紀と加奈も俺に合わすように立ち停まり。


 俺に声をかけてくると。


 ドン!


 ドン!


「いたっ!」


「痛い!」


「何で和也急に止まる、ん?」


「うちら、和也の背で頭を打ったじゃない」と。


 蘭と翔子と余所見をしながら会話していたメンバー達が。


 急に立ち止まった俺の背にぶつかり、悲痛な声をあげる。


「蘭と翔子の言う通りじゃけぇ。和也急に立ち止まって。何かあったん?」


 幸が蘭と翔子に続くように首を傾げると。


「先輩達の言う通りじゃけぇ、和君? 何かあったん?」


 蘭と翔子と幸のスィーツは何処のお店が美味しいとか?


 カフェは何処がおしゃれで尚且つ美味しいお店なのだと言った話しを。


 フムフムと聞いていた由美の奴も、俺が急に立ち停まるから、首を傾げるから。


 俺は先ずみんなに。


「急に立ち止まって、ごめん! ごめん!」


 と、笑い誤魔化しながら謝罪。


 そして終われば。


「俺が何で、急に立ち止まったかと言えば。あれだよ。あれ! あの車だよ!」と。


 俺は嬉しそうに微笑みながら。


 ブルメタと黒のツートン・カラーに、綺麗に塗装をされた車を指さすのだ。


「……ん? 山田が指をさしているのは、あの派手な古い車か?」と。


 牧田が俺に尋ねてきたから。


「うん」と俺は頷き。


「あれさ、日産のスカイラインの古い奴でさ。って呼ばれていた奴なんだけれども。特に初期型のマル四ライトの重ステタイプの奴だから。特に珍しくて……。角二ライトの奴でさえ、全然見ねえし。値段だって無茶苦茶高いんだって、こいつら。昔のスカイラインは……」と。


 俺は牧田に説明をすれば。


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